2010年10月24日日曜日

ソナタ星五つ、カムリ星三つ=NHTSA

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記事入力 : 2010/10/24 05:35:27
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ソナタ星五つ、カムリ星三つ=NHTSA

 現代自の「ソナタ」は今月5日(現地時間)、米国運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)が新たに採用した自動車安全評価で、最高等級の星五つを獲得した(これは今年7月2日以降の米国現地生産分で、それ以前の生産分は星四つ)。評価対象となった33車種の中で最高等級を獲得したのは、BMWの「5シリーズ」と「ソナタ」だけだった。ソナタの競合車種として米国市場でファミリーセダンの販売トップを行くトヨタの「カムリ」は星三つにとどまった。一方、起亜自の「K5」は今回の評価対象に含まれなかった。



1. NHTSAの新たな安全基準、何が変わったのか

 NHTSAの新たな安全評価基準は、従来の評価基準を大幅に強化したものだ。各メーカーの安全度が向上し、最高等級を獲得する自動車が増えたことで、従来の評価基準が説得力を失ってしまったのだ。

 新たな評価基準では、搭乗者への傷害、特に首の負傷など深刻な後遺症を残す可能性に対しては審査が非常に厳しくなった。中でも、側面衝突試験では、90度の衝突試験だけではなく、電灯や街路樹をかすめるように衝突する状況を想定した衝突試験も追加された。また、これまでは成人男性の平均的な体型に合わせたダミー(衝突試験用人体模型)だけを使用してきたが、新たな評価基準では女性ドライバーなどさまざまな体型のダミーが使われた。これにより、これまで最高等級が付与されていた車種が、新たな評価基準の適用で一挙に脱落する事態が発生してしまったのだ。

2. ソナタが最高等級を獲得した意味

 星五つを獲得したのは、「ソナタ」とBMWの「5シリーズ」だけだった。一般的にBMWの「5シリーズ」のような後輪駆動車は前輪駆動車よりも、正面衝突した際の安全性が確保されやすい。前輪駆動車は前方にエンジンや変速機などの重い機械類が集中しており、正面衝突時に乗客を保護するためには多くの技術を必要とする。こうした中、「ソナタ」は前輪駆動車であるにもかかわらず、BMWの「5シリーズ」と同じ等級が付与された。「ソナタ」の最高等級獲得が引き立つ理由がまさにここにある。

3. NHTSAがソナタの7月2日以降の生産分に限り最高等級を与えた理由

 新型「ソナタ」は昨年12月に米国での生産を開始した。NHTSAは、量産初期に当たる今年2月にも安全試験を実施し、新たな評価基準で「ソナタ」に星四つを付与していた。しかし、現代自は「2月の生産分は量産初期段階のもので、その後は品質面や安全面での改善作業を行ったため、試験をもう一度やり直してほしい」と要請した。現代自は、7月2日以降の米国生産モデルに対し、構造的に弱い部分に補強材を入れるなど、問題の解決に当たった。 NHTSAはこれを受け入れ、再び試験を行い、星五つを獲得することになった。その後NHTSAは、7月1日以前の生産分については星四つ、それ以降の生産分については星五つと区分するようになった。

4. 韓国内需向けのソナタも同等の安全基準を期待できるか

 現代自は「車体の構造的安全性は同じだ」と主張する。しかし、米国製の「ソナタ」と韓国製の「ソナタ」の間には、安全装置の面で多少の違いがある。

 まず米国製は、前面はもちろんのこと、サイドやカーテンに至るまでエアバッグが標準装備となっているのに対し、韓国製(昨年9月発売)はサイドやカーテン・エアバッグが今年4月1日から標準装備されることになった。また、前面エアバッグの場合、米国製には、搭乗者の体格や体重によってエアバッグの膨らみ具合を調節することで、エアバッグによる「2次傷害」を減らす「アドバンスト・エアバッグ」が使用されているのに対し、韓国製にはこうした機能がない安価な「デパワード・エアバッグ」(爆発力低減式)が採用されている。

 米国製には、突然のタイヤパンクに伴う事故を減らすために、タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)が標準搭載されているが、韓国製には最高級モデルにしか搭載されていない。また、米国製には後部座席の真ん中の席にもヘッドレストと肩、骨盤の3点を支持する3点式シートベルトが装備されているのに対し、韓国製にはヘッドレストを除いた骨盤だけの2点式シートベルトが装備されている。

5. カムリが星三つにとどまった理由は何か

 トヨタの「カムリ」には、後方から追突された際に前部座席のヘッドレストが前方に飛び出してしまうタイプのものが搭載されていて、首の負傷を減らす「アクティブヘッドレスト」が搭載されていないことが問題とされた。ちなみに、韓国で販売されている「カムリ」と「カムリ・ハイブリッド」にも「アクティブヘッドレスト」は装備されていない。一方、ソナタは米国製はもちろんのこと、韓国製にも「アクティブヘッドレスト」が標準装備されている。また、搭乗者が女性の場合、正面とサイドからの衝突試験で安全性が星二つと、非常に低く評価されたのが痛手となった。





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